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ブームは回る。2017.7.17.

前のブログから随分開いてしまいました。

ちょっと、色々調べたいおもちゃがあって、まとまったら書こうと思っていたら、思ったよりも奥が深く、調査が長引いてしまいまして。

で、今日は、そのついでにちょっと色々面白い物を入手したので、別の事を書こうかと。

近年、本格的なプログラミングロボットがブームです。

子供の学習用等のコピーで売られる、それなりに高額なロボット玩具達。

さらには、スマホのアプリと人工知能を連動させたこんな物まで。

逆に、スマホをリモコン代わりに、コントロールからプログラムまで、インターフェイスとして活用する、しかもキャラクターの玩具も、一つのムーブメントを作っていると言える。

こういった玩具を、現在タカラトミーさんから、オムニボット+シリーズとして、複数展開中。

この「オムニボット」という名前は、実は、1985年代に起こる、所謂キャラクターではないロボット玩具ブームの中心的な存在であった、名作玩具に由来します。

そもそもの起こりは、1983年に流された、ニッカウィスキーのCM。

マイルドロボという名前でその後、バンダイからシリーズ化されて発売される事になるロボットが登場するんです。

で、こいつをバンダイが商品化。

超合金からボードゲームまで。キャラクターとして様々な玩具を展開。

で、同時期1983年末に、トミーから、KI•KU•ZOというロボットが発売。

ボイスコントロールを謳ったこのロボットが、予想外にヒット。

で、この手のロボットのブームが訪れるわけです。

トミーは立て続けに、姉妹機YU•U•ZOを展開。

で、1984年に、初代、オムニボット39,800円を発売。

玩具としては破格の値段です。

当時まだ、家庭用コンピューターがマイコンと呼ばれていた時代。

プログラムを書き込むデバイスは、なんとカセットテープ。

こやつ、胸にカセットデッキが着いていて、プログラムしたルートを走行し、任意の場所に荷物を運んだりできるという代物。

で、その翌年のオムニボット2000まで、色々なタイプが発売され、一大ムーブメントになる訳です。

当然、玩具の世界では、フラッグシップが存在すれば、対抗馬、そして、後追いが発生するのが業界の常。

当時バンダイでは、海外の商品の引き物を中心としたマミート事業部という事業部が有り、

そこから様々なロボット玩具が生み出されました。

RCでバトルするコスモボーイ。

ロボテックシリーズは、組み立て式の機能ロボットシリーズ。

ちょっと違うけど、RKは、ジャイロ効果でRC2足歩行するロボット。

などなど。

当時まだ強かったヨネザワからは、妙にデカいロボットエミリオが。

同じくヨネザワのこのパルボットなんて、誰かにそっくりだ。

さらには、サンライクさんのこんなやつ。

ロボ太。この辺になってくると、だいぶダガング感が出てくる。

で、今回入手したのは、この辺。

なんだかワクワクするラインナップです。

そんなワケで、こういうムーブメントがあった、という話なんですが、

重要なのは、フラッグシップだったオムニボットは、確かに非常に高額な玩具だったのですが、その後の出た商品は、大きくても安い、ないしは、機能をシンプルにして低価格にした物が多く、当時赤外線コントロール、所謂IRなど無いので、RCかリモコンか、なのですが、当然、リモコンにする事でコストダウンをする商品が非常に多かったのです。

というのは、オムニボットが目指したのは、本物感。でも、他の商品が目指したのは、本物が存在するからこその、単機能特化による所謂、低単価派生機。それは、実は、本来の意味での玩具の有り様と言っても過言ではありません。

本来、玩具ってのは、本物が存在し、それを手に入れ安い価格で手に入れる事が出来る、ニセモノを作る商売なのです。

車の代わりにミニカー。すでに居ないからこそ、恐竜の人形。で、TVのキャラクター。

その、本物の機能を抽出して、取捨選択するか、特化させる事で、玩具は玩具になるのです。

ですから、本当にプログラムできる、とか、そういうのは玩具ではない、と僕は考えてしまうんですね。

たしかに、スゴイと思うのですが、スマホでコントロールって、スマホが無い人はどうしろって言うのだろうか。インターフェイスも含めると、一体いくらの商品なのだろうか。

近年、特にアメリカでムーブメントになり、日本に次々導入されるこういった多機能ロボット玩具が、さも新しい玩具として紹介されるのを見ると、ちょっと考えてします。

それは、本当に玩具なのか。

最初の一つは良いのです。ブレイクスルーの為には、必要なイノベーションと言えましょう。でも、次々と高額多機能が出てくるのは、違うと思うんですよね。フラッグシップが存在し、それが高額すぎて買いにくいからこそ、そこにニセモノの入り込む事が出来、それが新しい玩具の市場のニッチーを生み出すのだと思うのです。

より高機能は、玩具ではない。

僕は、どうしてもそう考えてしまうんですよね。

当然、それそのものには価値があり、ニーズがあり、市場が有るのだから、存在を否定する訳ではない。

でも、それって、TOYでもオモチャでも、玩具でもない別のカテゴライズにはまるべきでないかと思うのです。

そう、玩具って、もっと楽しくてバカバカしいものであって欲しいと思うのですよ。僕は。

 

 

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